リモートワークを導入した経緯は、営業職も多く、会社に出社し、お客様先へ行き、またオフィスに戻って業務を行うという非効率性を改善するためだと聞きました。
同時に、BCP対応の一環としての側面もあったとのことでした。
日本各地で毎年発生する地震であったり、台風であったり、などの影響により、オフィスでなくては仕事ができない状態ということにリスクがあるためです。
リモートワークを行うことで、生産性の向上と共に災害が発生した時、PCと携帯があれば、いつでもどこででも業務を遅滞なく行うことができるようにと考え導入されました。
リモートワークとオフィスの出勤を使い分けたい
私が営業から管理部門に異動になった際、資料作成や議事録の作成等集中して行いたい業務が多く発生しました。
オフィスで業務を行うと、やはり電話対応や、社内からの質問、ミーティングとなどで集中力が途切れてしまったり、深く考えることが難しかったりすることも多かったのですが、自宅の静かな環境で行うことで、オフィスでかかる時間の約半分程度で完了しました。
非常に効率よく仕事ができ、リモートワークは生産性の向上、業務の品質向上に有効であると感じました。
出社時にはミーティングを入れ、また社内対応を行い、リモートワークでは考える、生み出す業務と使い分けるようにしていました。
そして、メリットとして雪や台風などで、通勤時危険を伴う可能性がある場合や、電車遅延などで、出社に時間がかかってしまうことが予想される前日には、PCを持ち帰ることによって、自宅で業務をスムーズに行うことができました。
今回の新型コロナウイルス騒動では、オフィスで感染者が出た場合や、濃厚接触者となってしまった場合でも、リモートワークが可能であれば、自宅にいても業務を行うことができるため、いつ何が起こっても業務に支障をきたさないという精神面での余裕も生まれています。
リモートワークで重要になるセキュリティ強化
リモートワークで大切だと思う1つ目はセキュリティ面の強化です。やはり社外で業務を行うということは、思っている以上にリスクも多くあります。
PCの盗難、紛失、情報漏洩などは会社でしか業務を行っていない時よりも発生しやすい環境となるため、必須です。
簡単なところからであれば、個人情報が含まれる、もしくは重要な企業情報が含まれるデータは必ずパスワードをかけることはマストです。
- PCは必ずパスワードを設定する。
- PCのハードディスクは万が一盗難にあっても、暗号化されているものを利用する。
- もし予算上都合がつくのであれば、VDI環境を整備する。
ことで、より安全にPCを持ち出し、リモートワークを行うことが可能です。
セキュリティーのせいでリモートワークが不便になる?
リモートワークにはセキュリティの強化が不可欠ですが、利便性を損なうほどであってはいけないでしょう。
セキュリティと利便性のバランスが整っていない場合、リモートワークの生産性が損なわれる可能性があります。
- 共有フォルダに入れないので、必要な資料を確認することができない。
- 社内システムに入ることができないことで、必要なデータを更新できない。
- 今すぐ確認したいことがあるのに、メールだと埋もれてコミュニケーションにタイムラグが生じる。
などが発生することは、非常に勿体ないことです。
これはVPN設定を行ったり、社内のビジネスチャットを導入したりすることで、解消されるため、利便性を損なわない仕組みの構築を行うことで、生産性にもつながり、より有意義なリモートワークにつながります。
リモートワークでやっておきたいルール策定
次に、ルール策定も大切です。リモートワークは、どこででも行ってよい訳ではなく、プライベート空間が確保されており、他人が横から情報を盗み見られてしまうような環境では行わないこと。
社用PCに勝手にソフトを入れないこと。
リモートワークを行う時には、上長に事前にいつ、どこで、何の業務を行う予定であるかの報告をする。
こうしたルール策定は正しくリモートワークを行うために必ず必要です。
そして最後に大切なことですが、会社として、組織としてリモートワークを推奨する姿勢がなければ、制度だけのリモートワークとなってしまいます。
まだリモートワークを実施したことのない組織であれば、「週に1日はリモートワーク実施!」というように多少の強制力を持たせて導入をしても良いと思います。
外でも仕事をして良いと言われても、従業員が戸惑ってしまったり、上司の目が気になってできなかったり、習慣でなんとなく会社で仕事をする社員もいます。
浸透するまではリモートワークを推奨する姿勢というものを、打ち出し続けることが大切です。