機械製造業の私の会社にも遂にリモートワークが導入されました。
新型コロナ感染拡大を受けてテレワーク実施が検討され始めた頃、これまでテレワークやフレックスタイム制を導入したことがなく、経営陣もなかなか実施に踏み切ることができない様子でした。
しかし、緊急事態宣言が全国対象に発令されたことがきっかけで、社長が判断し、テレワーク実施が決まりました。
現場と事務のリモートワークの違い
従業員150名程度の中小企業ですが、従業員やその家族の健康を守ることが需要だという考えで、製造現場は当番制、スタッフ職は原則在宅勤務として出勤者数を減らしました。
もちろん受注量にこたえられるように操業は継続しています。
本年度は受注が落ち着いており、納期に余裕があることもテレワーク実施の後押しとなったと考えています。
Windows10への切り替えがちょうど昨年秋ごろ実施され、スタッフにはノートPCとともに外部接続システム、SkypeやTeamsといったコミュニケーションツールを使えるように整備されたところでした。
スタッフ職はPCを持ち帰って自宅で事務作業ができますが、現場作業者は工場に出勤しなければ業務が行えない為、自宅での研修という形で課題に取り組むことが業務とされました。
職種の違いに応じた業務内容
10稼働日ほどテレワークをしましたが、出勤しての業務と比べるとやりづらい点や時間がいつもよりかかる部分はあります。
1日業務の流れは、その日の業務予定を始業時間に上司にメールし、定時に業務のアウトプットを報告します。
必要に応じてSkypeなどで会議を行うこともあり、各人の業務の進捗や相談、今後の予定の共有などを行っています。
私は主にデスクワークとなるスタッフ職ですが、現場作業者の研修も上司に対して取り組む課題の予定とその日の進捗を電話、メール等で報告することと決めていました。
勤怠管理面は、原則は残業なしとして、業務や研修課題の進捗を各部署の上長が確認して問題なければ勤務とみなしています。
コミュニケーションとセキュリティ
通常だとオフィスで隣にいる同僚に気軽に聞いていたことは、skypeやTeamsのチャット機能を使って確認できています。
隣に同僚がいないことで、コミュニケーションツールを介することとなり、確認に時間がかかることもありますが、慣れればハードルはそれほど高くありませんでした。
その代わり、部署で共有しておく必要のある情報はまとめてメールして各人が確認できるようにするなどテレワークで効率よく業務を進めるための工夫も必要だと感じました。
仕事の進捗は出勤することに比べると7~8割程度になるのではないかと思います。
セキュリティ面ですが、支給されているノートPCは起動時やシステム起動時のパスワード設定やファイルの書き出し禁止の設定がされています。
盗難や置き忘れなど、万一PCを紛失したとしても個人情報などの機密情報が漏洩しないように対策されていました。
テレワークを円滑に進めるには
事業形態によっては、テレワーク導入が難しいこともあると思いますが、新型コロナ感染拡大の世の中の流れとしてテレワーク導入は必要になってくると感じました。
テレワーク導入にあたっては、労務管理や業務進捗管理のこと、PCやweb会議、外部接続システム導入など環境の整備のことなどソフト面、ハード面の準備が必要です。
もし、自身の業務が一人で完結できる業務ではないならば、普段から自身の業務内容を部署内、チーム内に共有しておくことも大切です。
「あの仕事は誰々でないとわからない」では業務の伝達や確認に時間を要し、業務の効率が下がってしまいます。他の同僚の業務効率を下げてしまうことにもなりますので、気を付けたいところです。
また、テレワークは出勤業務時の様に顔を見て仕事をするわけではないので、業務の進捗報告をわかりやすく上司に伝えることが大切です。
お互いの業務は、離れているからこそ信頼関係の上に成り立つんだと強く感じました。普段以上にコミュニケーションは必要だと思います。
また、テレワークは出社しないことで他人の目がない分、だらけてしまいがちです。他に気を取られることもあり、仕事の進捗も落てしまいます。
自宅とは別の場所で仕事するか、難しい場合は、自宅に仕事スペースを作るなどしてテレワークしやすい環境整備も必要だと思います。
通勤時間が短縮されるだけで業務内容が変わるわけではないので忙しいことには変わりはないので、決して楽ではありません。
生活の場所での業務なので、場所を変えたり、部屋の中で仕事スペースを確保したり、パジャマのまま仕事しないなど出社しなくてもメリハリをつけて、自宅の生活と仕事を分けられるようにすることが大切だと思いました。