今や、長時間労働を讃(たた)える人は少数派かと思いますが、それでも長時間労働がなくならないのは、なぜでしょう?
「長時間労働が良いこととは思っていないけど仕方がない」。
こんな風に諦めている人が多いのかなと考えてみたり。
また、「オジサン世代は長時間労働を当たり前ととらえており、若者はこの古い考え方に反発している」というイメージってありますよね。
ありそうな話ではありますが、これも想像の域を出ません。
働く人たちが実際にどのような考えを持っているのか知りたくて、アンケート調査を実施してみました。
ハードワークの経験を持つ人に、
- 長時間労働は望ましいことであり、必要なことだ。
- 長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
- 長時間労働は望ましいことだが、必要ではない
- 長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
の中から、自分の考え方に最も近いものを1コ選択してもらいました。
その際、各業界の長時間労働事情がどのようになっているのか、具体的なエピソードについても語っていただきました。
ハードワーク(長時間労働)に対するアンケートの結果
1位.長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。│70%
2位.長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。│27%
3位.長時間労働は望ましいことであり、必要なことだ。│3%
4位.長時間労働は望ましいことだが、必要ではない。│0%
このような結果になりました。
70%の人が長時間労働を全否定しています。
「望ましくはないが、必要なことだ」という意見は2番目に多かったものの、30%にも達していません。
長時間労働がなくならないということは、少なくともその必要性は認められているのかと思いきや、大多数の人は長時間労働が必要だとさえ考えていなかったのです。
次に、年齢が高くなるほど長時間労働に肯定的かどうかについてですが、こちらは意外な結果となりました。
「長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。」と答えた人は、40代以降ではなんと0人! 長時間労働に対して極めて否定的であることが分かります。
反対に、20代においては、3人に1人が「長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。」と回答。一般的なイメージとは反対の結果になりました。
もちろん20代においても、長時間労働を否定する人が多数派ではありますが、必要性を認めている人も一定数いることが分かりました。
飲食・販売・サービス業のハードワーク体験談
ここからは、実際に長時間労働を経験されている方の体験談をご紹介します。
まずは、昨今の人手不足の影響も大きく、立ち仕事なので肉体的にもハードな飲食・販売・サービス業の方々のコメントから見てみましょう。
飲食業界・接客スタッフの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
私はとあるカラオケチェーン店で働いていました。アルバイトスタッフは一日長くて10時間、短いスタッフは3時間程度の勤務時間でしたが、私はアルバイトスタッフの中でも「責任者」という肩書きを頂いていた為、多い日は一日12時間(休憩1時間、店が多忙だと休憩がタイムカード押すだけになるとかもありました)が6連勤。
昼勤と夜勤が交代交代で休みなくあることもありましたが、私は基本夜勤スタッフでしたので、20代前半にして髪や肌のダメージは相当でした。ただ、時給はきちんと換算してもらえていたので、フリーターにも関わらず、社会保険にも加入させてもらい、そこらの新卒の正社員より1.5〜2倍の給料を月で稼げていました。
さて、長時間労働は必要か、という問いには、私は少し悩み「イエス」と答えます。アルバイトであれ正社員であれ、倒れたら意味が無いので、もっと人が増えれば長時間労働はしなくても良いかもしれません。だけど、長時間労働をする人には少なからずの理由があると私は思います。お金が欲しい、働いて気を紛らわせていたい、等。
私は実際お金が欲しくて自分で長時間労働のシフトを入れていました(たまに希望シフトより伸ばされたりはしましたが)。結局、私は長時間労働に関しては完全に「自己責任」であると思います。勿論私とは違い会社の意向で無理やり長時間労働させられている方はそうではないかもしれませんが、そういう方は辞めてしまえば良い。辞めないということは自分の中でやり切れるとわかっているからだと思います。(20代 ペンネーム・ねねちゃんさん)
飲食業界・調理人の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
私が働く店では決まったシフトはなく、開店から閉店まで社員とバイトがシフトを回します。基本的にはバイト優先でシフトを決め、足りない部分を社員が埋める形ですね。
ゆえに、開店から閉店までのシフトをこなすことは少なからず発生していました。タスクが完了すれば帰れる仕事ではないので、どんなにお客さんが来なくても店を閉めるわけにはいきません。
クリスマスの日のことです。クリスマスですから当然のごとく来客数は増えます。しかし、バイトはこの日は入ってくれません。ですので私は開店から閉店までのシフトを回すことになりました。実に13時間です。店の外を見ればカップルや家族連れが楽しそうにしています。仕事が終わっても私は遊ぶことはできませんでした。13時間働き、明日も仕事だっただからです。長時間労働は拘束時間外にもその影響を与えます。
長時間労働は必要ありません。長時間労働は能力不足ややる気の問題と言われることがありますが、それだけではどうもならない現状がここにはあります。(20代男性 ペンネーム・やもりさん)
飲食業界の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
飲食業界では店舗の忙しさ、人手不足、営業時間の長さ、1人あたりの社員に対しての仕事量の多さによって長時間労働を強いられる業界です。ただこれらも対人の仕事なので、アルバイトスタッフを上手いこと使い、暇な時に簡単なデータ入力などをしてもらうことによって仕事量を減らしたり、人手不足は楽しい職場だと思わせて入るように促して人員を確保しております。
私は上記のことで長時間労働を減らせてますが、やはり個人経営店ではなく、会社員のため他店のことも考えなくてはいけません。早く帰れる日は上司が全てシフトで把握しており、他店ヘルプを余儀なくされます。そしてヘルプ先の人は残って仕事をすればいいと考えている人のため、だらだらと仕事をし、私も釣られてペースが遅くなってしまいます。そのため帰りが遅くなり、次の日に体がしんどくなるなどの症状が出るくらいです。
私自身は人手不足など自己責任の部分で長時間労働になる部分は仕方ないと思いますが、効率も悪くなり、体への負担もあるため望ましくはないと思います。(20代男性 ペンネーム・仕事大好き野郎さん)
エンジニア→飲食業界の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
私はエンジニアと飲食業界と2業種で長時間労働をしたことがあります。その上で長時間労働は望ましく無いし、必要ではないと思っています。長時間労働が必要という方もいらっしゃいますが、賃金の低さから残業代で稼がないと困るという話をよく聞きます。
私は中小企業で働いていましたがまず長時間労働をしてもすべてサービス残業で賃金を発生させず会社の利益のみを求める企業があります。そうした企業で働いていた結果、私は体を壊しました精神も壊しました。長時間労働を何時間以上から長時間労働というのかは分かりませんが、長い時間ずっと働くことでまず私生活が無くなります、働いているばかりで知人から連絡をもらっても常に働いているので遊びの誘いもすべて断ります。そうしているうちに連絡が来なくなりだんだんと疎遠になり、気づいたら誰からも連絡が来なくなります。
趣味で楽しむ時間もなければその趣味で楽しめる仲間もいなくなります。ゆえに私は長時間労働をすること自体を望ましいとは思いません。業界によっては24時間常にだれかが管理しなければならない事もあるでしょうが、その分人を雇い作業を分担するべきだと思います。人を雇う事で会社が成り立たないという経営者もいますが、そもそも経営が成り立ってないのだからそのような会社はなくなるべきだと思います。たぶん、誰かが「私がやらなくてはダメなんだ」という義務感を持ち続ける限り長時間労働をすることが当たり前という考えはなくならないと思いますし、デフレから改善される事も無いと思います。(30代男性 ペンネーム・匿名希望さん)
サービス業の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
私が働いている業界は、日本で深刻化している働き手不足に直面をしています。人手が足らないため、休みたくても休むことができない、それに加えてアルバイトの子もあてにできないと言う状況下で働いていました。
朝のオープン10時には1つ目の店舗に行き、昼過ぎの14時には他店にヘルプ要員として向かい、夜は人手不足のまた別の店舗へ行くという毎日。飲食業のため、常に腕や手首を痛め、立ち仕事で足もむくみパンパン。休憩が取れるのは移動時間の車の中だけでした。毎日12時間働いて、1カ月のお給料の手取りは15万円。他社で働いたことがなかったため、それが普通だと思い、社員である以上、会社からの要求には答える必要があると極限まで感じていました。
しかし今考えると、長時間労働により起きたいいことはなかったと思います。自身の体調を崩すことはもちろんなのですが、お客様にもいいサービスを提供できず、従業員やお客様共に結果的に悪循環を生み出す結果となっていると思います。働き手不足はこれから否めなくなるため、平日やシーズン外の客足が少ない営業時間を短くする分、客足が増える週末は長くするなど工夫をすることで、従業員にとってももちろんですが、お客様にも最高のサービスを届けるパフォーマンス体制を整えていくべきだと思いました。(20代女性 ペンネーム・ももたんさん)
パン屋の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
パン屋に就職し、最初はパン袋詰め、接客など製造以外を担当していました。スタッフ人数が少なくその頃から洗い物、掃除が間に合わなく残業は日常茶飯事でしたが、いずれパンの製造を任されるようになりました。
パン製造ができるのは、私含め二人だけ。しかも1日に製造を担当するのはどちらか1人。朝から一人でパンの成形、ベンチタイム、焼成…ひととおり店内にパンが並んだら次は翌日分の仕込み。仕込みが終われば全員で協力しての掃除、片付け。ただ、短時間アルバイトのスタッフがほとんどで定時で、みんなどんどん帰っていき、最終的に一人で残って、のこりの仕事を終わらせる毎日でした。
土日や、クリスマス、お盆、年末年始は商品数をかなり増やすため、製造を二人で担当しましたが、残業量は増えるばかりで、人数はたりないし、帰れないし、上司には残業を減らせと注意を受け、大変困惑していました。ただ、残業をしなければ、仕事はおわらなかったので、少ない人数で利益をだすためには残業はある程度必要なのかなと感じました。(20代女性 ペンネーム・やっちんさん)
小売業界・販売の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
販売の仕事だったので長時間労働でも好きなものを扱っていれば苦にならないと思いますが、精神的な問題より肉体的に辛いことが多かったです。基本立ちっぱなしでお客さまがこなければ呼び込みなどもしますが、あまり歩くこともないのでとにかく足腰が痛くなります。歩き続けるよりただ立ってるというのがこんなに大変だとは実際やってみるまで思いもしませんでした。
それでも仕事があればまだ気もまぎれるのですが、販売はお客さまあっての仕事。人がこなければすることもなくなりひたすら無為に時間を過ごすことになります。
営業時間があるため何もないのに長時間そこに居続けるというのは苦痛でした。勤務時間後だとどこも閉店していて買い物もスーパー、コンビニくらいにしか行かなくなってしまいましたし。
結局腰を悪くして退職した自分としましては、作業の早い遅い、個人の能力ではどうにもならない長時間労働もあるというのも分かりますが、長時間労働しないにこしたことはないと思います。(30代女性 ペンネーム・たままさん)
IT業界専門職のハードワーク体験談
長時間労働のイメージがすっかり定着しているIT業界専門職の方々のコメントです。
IT業界・システムエンジニアの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
システムエンジニアは、システムという「目に見えないもの」を作る仕事です。もちろん最終的には操作画面など目に見える形にはなるのですが、そこに至るまでの資料の作成、顧客との打ち合わせなど純粋なシステム開発「以外」の作業も多いのです。また、既存システムと入れ替える場合は、「既存システムのデータを新システムに移行する」という作業も発生します。システム開発の多くはプロジェクト形式でスタート時に作業内容をリストアップしてスケジュールを立てますが、「作業の見落としがあった」「顧客から変更の要望があった」などの要因で、スケジュールを超過することが往々にしてあるのです。
私が関わったプロジェクトでも、「○○という作業がスケジュールに入っていなかった」「出来上がったシステムが思っていたものと違う、でも使用開始予定には間に合わせたい」ということが多々ありました。そして、それらのほとんどは先送りしたり無視したりという判断ができないものでした。また、使用開始予定が迫っている場合、短期間での動作確認や操作訓練で顧客にも負荷がかかります。そのため、夜遅くまで会社に残って、あるいは一時的に常駐するという形で客先で長時間作業をしました。
納期が迫っていて、顧客や開発メンバー内で意志疎通がうまくいかない、その中で長時間作業するとなると、開発側も顧客側も精神的・体力的余裕がなくなっていきます。そうすると、ミスが出やすくなる、体調を崩しやすくなるなど、どんどん悪循環に陥っていくのです。システムを作る人のためにも、システムを使う人のためにも、長時間労働を避け余裕を持ったシステム開発が行われることが望ましいと思います。(20代女性 ペンネーム・七氏さん)
IT業界・システムエンジニアの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
業種がシステムエンジニアとなっているため、長時間労働というのは当たり前であり、仕事の量が日によって異なったりしているため、残業することもしばしばあります。特に大変なのが多忙期で、特に10月頃から12月終わりぐらいまでと決算が迫る2月から3月の間とかがピークにあたり、14時間労働とかも当たり前になってきます。
どうしても終わらせないといけない仕事があったりすると会社に泊まって業務をしないといけないため、家に帰れないときもあったことを覚えております。長時間労働は業種によっては必要になってしまうことでありますが、職員の自由な時間とか体調とか精神面を考えて仕事の量を調節してほしいなと思っています。
普段から8時間また9時間労働をしているシステムエンジニアでも、9時間以上の長時間労働とかになってしまう場合もあります。長時間労働というのは身体や精神面とかにも悪影響が出てしまう場合もあるため、望ましいことではないけど、どうしても片付けないといけない仕事があったりする場合は致し方ないことだと思っています。(30代男性 ペンネーム・いつでもペーペーさん)
IT業界・エンジニア プロジェクトリーダーの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
エンジニアの場合、リリース間際になると長時間労働や徹夜が続いたりするケースが多くあります。事実、私も100時間労働は珍しくなく、ニュースで取沙汰される過労死問題より遥かに多い連続残業を経験したことは何度もあります。
それを分析したときに日本社会の抜本的問題に行き着きました。まず、事例発生ベースでしか日本は動かない。これは「これ以上働かせたら過労だろう」という予測によるものではなく、実際に死人がでないとなにも対策を打たないということです。次に管理能力欠如。課員やメンバーの勤怠は勤務表を見ればわかる筈です。にも関わらず対策をせずに、高稼働を見落としています。2、3秒見れば誰が稼働が高いかわかる筈なのにそれが出来ない管理職が多すぎです。
最後に顧客最高主義。顧客からの要望を作業キャパシティを考えずに受けている管理職が多いです。こんなことでは時間だけかさみ、品質は低下する一方です。この全ては顧客に提出する僅か1文で解決します。「仕様変更、追加機能は要再見積」。
私がプロジェクトリーダーに就任したときは残業100時間が当たり前のチームでしたが、再見積りしたり、人員を適宜アサインしたり、月に40を越える残業を禁止にしました(20時間の残業で警告を出します)。結果として品質が向上し、今までクレームや不具合対応に残業していた分が全て本来の作業に回せるようになり、一時は契約解除まで追い込まれたプロジェクトは今では社内トップクラスの利益を出しています。自分を過大評価するつもりはありませんが、プロジェクト運営を少し別の視点から見直せば長時間労働や労基問題は改善することが出来ることを管理職に知ってほしいです。(30代男性 ペンネーム・社畜親父さん)
IT業界・システムエンジニアの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
IT業界は常に納期に追われています。数カ月先まで予定が立っていることもよくあることで、かつかつのスケジュールが組まれています。
私の配属された現場ももちろんその一つでした。
疲労と成果は相関関係にあり、疲労が濃いほど仕事の成果は落ちます。研究結果も出ている内容で、人間は朝いちが一番高いパフォーマンスを発揮できます。そして生活とともに、これをするかしないかの決断を繰り返しますが、その決断は意外と体力を使うもので決断を繰り返すだけでも疲労がたまります。ですから働けば働くほど効率は下がり、残業しても大した成果がないのは当然なのです。
スマホで有名なアップルの創始者の方も毎日同じ服装をしていまして、これは決断をする回数を減らすことが目的で、必要な決断時のために体力を残すことが目的であったといわれています。私も月間残業時間が80時間程度までは経験していますが、夜遅くなればなるほど成果が下がり、結局翌朝修正しなければならない仕上がりになることも多く、あんまり有意義ではないということを実感しました。(20代男性 ペンネーム・ケイゴさん)
WEB業界・ディレクター兼コーダーの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
WEB業界、特に制作業務というものは、クライアントや代理店の能力次第で長時間労働となる世界です。これはある特定の案件ではなく、ほぼ全部に起こっていることです。
制作サイドとしては「基本設計・素材の収集・システムの構築・ページ作成・修正」のすべての工程を考え、クライアントの希望納品日に合わせたスケジュールを提出。もちろんそれに合わせた見積もりも出し、クライアントはそれを認証するわけです。
しかし最初からこのスケジュールは崩れていきます。まず「絶対に掲載するべき基本情報すら集めていない」ためこちらでは設計やデザインすら進めることができない状況になります。そして数日遅れで最低限必要な情報が入ってくると、遅れた分だけ巻き返す必要があるので深夜残業や徹夜など長時間労働が発生します。何とか無事に提出できて担当のOKが出たので一気に作業を進めますが、この時点でスケジュールよりも若干遅れ気味。しかしギリギリスケジュールに沿う形で組み上げ、クライアントへ確認をしてもらうことになります。
これで一安心…とはならないのがWEBの世界。驚くことにクライアントの担当や代理店はこの時点になるまで「最終的な決定権のある人間に確認をとっていない」のです。そのため、ほぼ完成に近い状態まで作ったものをひっくり返されてしまうことが多いこと。それでいてスケジュールは変えられないし予算も変えられないと言い出す始末。結局そのしわ寄せが来るのが我々制作になるため、またしても深夜残業や徹夜など長時間労働になります。さらに作業が2倍になっても予算が変わらないのであれば仕事単価が減ることに繋がり、その分を補完するため他の案件を同時進行しなければならず、長時間労働をしなければ会社の売上が減っていくという事態に陥ります。いくらPCの能力やシステムの簡素化が進んでも、人間の効率化が進まなければ長時間労働は無くならないでしょうね。(40代男性 ペンネーム・ポタらいだーさん)
経理・事務職のハードワーク体験談
「AIに仕事が奪われる」「45歳で早期退職」といった話題とともに語られることが増えた経理・事務職。今後縮小していくかのようなイメージとは裏腹に、現状においては人手不足で激務が続いていることがコメントからうかがえます。
製造業・経理の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
私は長時間労働は望ましいことではないが必要な事だと思っています。経理職に勤めており、繁忙期と閑散期がハッキリ分かれています。例えば月末月初だったり決算期というのは大幅に勤務時間や残業時間が増えます。かといって、月中はそんなに仕事が多くないので残業はあまりありません。
長時間労働について対応しようとすると人を増やさなければならないなどの対応が求められますが、私の職場のように労働時間に波がある職場については調整しなければならないのでなかなか難しいと思います。なので私は長時間労働は望ましいことではないが、必要だと考えます。
どちらかというと、長時間労働が悪と言うよりはそれに対して賃金未払いだったり、休暇が取れないなどの環境そのものについてが悪いと思っております。きちんと残業や労働時間に対しての対価を支払って、閑散期には休暇を取らせるようにしてあげれば必要悪として残っていくのではないか、と思います。(20代男性 ペンネーム・サイトウさん)
出版業界・事務の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
私は出版業界において長時間労働と短時間労働のどちらも経験してきました。そのうえでなぜ長時間労働が必要ではないと思ったかというと、明らかに短時間労働の方が仕事の成果が上がったのを身を持って実感したことがあるからです。
もちろん長時間労働で成果が上がる人もいるかもしれませんが、余裕がなくなってから本気を出すようなタイプにとっては短時間労働という制約のなかで仕事の成果を出さなければいけないという適度なプレッシャーのようなものが必要になると思います。出版業界で事務の仕事をしていたときも短時間しか仕事が出来ないときは、この時間内で成果を出すためにはどうしたら良いのかを工夫を凝らして考え、普段の仕事では出せないほどの集中力を引き出せたことを覚えています。
ちなみに営業に所属している同期の友人も短時間労働の方が明らかに生産性の高い仕事が出来ると自覚しているそうです。特に過度な長時間労働は肉体的にも精神的にもストレスがかかりますので避けたいところです。(20代男性 ペンネーム・りんさん)
事務機器販売会社・事務員の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
かつて事務機器販売会社で事務員として働いていたころのこと。
入社時の説明では「繁忙期は残業も少しあります」という話でしたが、実際には、入社1カ月後には残業づけでした。定時は、朝は8時半から、夜は17時半までです。しかし17時半に帰れることはなく、早くて19時、遅ければ2時~3時まで働くこともありました。
のんびり働いているわけではありません。トイレに行く暇すら惜しんで働いても仕事が終わらないのです。別な業務で10分ほど席を外して戻ると、机の上が折り返し電話がほしいというメモだらけになっているのも毎日でしたし、メールも山のように届いており、対応しきれる量ではありませんでした。しかし上司はいつでも「遅くまでお疲れ様」というだけで、増員はしてくれません。稀に繁忙期に増員があったとしても短期のパートのみなので、次の繁忙期にはまた新しく人を雇うので効率が悪く、いつになっても改善されませんでした。
長時間働き続けているためいつも疲れていて、小さなミスが頻発することがありました。長い時間働いても、身体に負担がかかるだけで、何も良いことはありません。長時間労働は望ましいことでもありませんし、必要なことでもないと思っています。(40代女性 ペンネーム・ぽんちゃんさん)
IT業界・事務の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
以前勤務した会社では残業=働く意欲があるとみなされ、実際の作業効率は見てもらえず他社員はランダムに休憩を交えながら仕事をしたりしていました。
上司は40代以降で、若い20代前半の社員たちは上司が直帰で戻らない時は喜々として定時で帰っていました。このように昔ながらの遅くまで仕事がんばるという雰囲気を40代以降が示しているためダラダラとした時間が流れるのだろうなあと思いました。
一方で自分はというと残業してる人たちの仕事が夕方以降に増え、朝方その処理に追われる始末です。クライアントに提出物を渡す仕事でもあったので急いで取り掛かるしかない、けれど急ぐと時にミスをする。クライアントに怒られるのが怖かったです。事情を話せるわけでもないですし。なので自分も関わる人たちに合わせて残業していました。
上司からはもちろん評価はもらえましたが(口頭のみ)朝から夜までずっと会社にいて体調も崩し、でも休むと休み明けが大変。その会社ではやっていけず退職しました。
私が思うのは、一度上司を交えてどうすれば定時で帰れるようになるかというテーマで話し合い、仕事の割り振りなどをして今一度考えなおす必要があると思いました。それが長時間労働を防ぐことに少なからず繋がると思います。(40代女性 ペンネーム・今暇さん)
配送・流通業界のハードワーク体験談
車を運転するため、疲労の蓄積が致命的になりかねない配送・流通業界の方々のコメントです。
流通業の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
物流配送業務の傍ら、新規顧客開拓のための営業も行うことになっていました。宅配業ではありませんが、宅配で荷物を届ける傍ら、届けたお宅や隣のお宅にチラシを入れたり、キャンペーンの案内をしたりするようなイメージです。
物量が多いとまず、メイン業務の配送を時間内に終わらせねばならず、昨今は、在宅となっていても不在であって再配達になったりすることもしばしばあり、配送業務のみで手いっぱいの日もありました。そうなると、配送が無い時間帯、配送終了後に営業活動をせざるをえず、また個人宅の場合は在宅率も夕方以降のほうが高いので、朝、倉庫を出発したまま帰着が19時、20時になることもありました。
天候の厳しい時期は、外に長時間いるだけで消耗しますし、配送自体も間違いの許されない業務で気が抜けず、営業を終えて帰る車内で眠気に襲われることがしばしばあり、危険を感じていました。帰着後も事務作業が残っており、次の日の朝の配送準備作業の時から疲労感を感じることもありました。疲れている時期は、誤配送も多く、営業の成績も皆ふるいませんでした。休日が比較的しっかり取れる職場だったのでなんとかなっていましたが、連日の長時間労働は基本的な業務の質を下げてしまうと感じていました。(30代女性 ペンネーム・くまさんさん)
配達業界・配達人の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
お中元やお歳暮の時期は繁忙期で本当に毎日が苦痛でした。主婦のパートで幼稚園の子供がいますが、朝8時半から19時まで働いていました。朝はスリーターで荷物を運び届け夕方になるとドライバーさんの横乗りでマンションや固まった住宅街を台車で運び身体が悲鳴を上げていたと思います。まだ休憩のシステムがなくて自分で飲み物やおにぎりなど持参して移動時間に食べるという感じでした。
お歳暮では夕方になると冷凍御節の荷物の山が大量に運ばれてきて、仕分けて運ぶというのも行いました。お手つだいとして出勤しましたが、31日なのに夕方から御節の仕分けをしていてすごく大変でした。
ですが大変だった分繁忙期時の給料はとてもうれしく思えます。あの過酷を乗り越えた分お給料としてかえってくるので、又頑張ろうという気持ちになれるので社会勉強の為にも一度経験してみるのもありなんだと感じています。周りからブラック企業だのとよく言われていましたが、自分に無理の無い程度なら必要なことだと思います。(30代女性 ペンネーム・めみみさん)
医療業界のハードワーク体験談
成長産業といて注目されているヘルスケア分野ですが、厳しい労働環境がコメントからうかがえます。
医療・柔道整復師の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
過去に接骨院に勤務していて、8時前出勤、帰りは遅い時は11時ぐらいになることも。また、休みは週1~2が基本なのですが、たまに10連勤とかありました。最初は自分の好きな仕事だから何とか頑張れていましたが、だんだん疲れているのに眠れないことや、激しい頭痛など、身体がついていかなくなりました。
こんな生活を1年半ほどしていて、プライベートな時間もほとんどなく仕事づけで、身体だけでなく精神的にも参ってしまい、自律神経失調症になり、仕事を辞めざるを得ない状況になりました。長時間労働しても仕事の成果が上がるとは限らず、むしろ下がってしまうこともあります。仕事とプライベートの時間を両方しっかり取らなければいつか心も身体もダメになります。
昔は長く働いて当たり前みたいな考え方の人が多くて、今もその名残りがありますが、今の時代に合わせるべきです。働き方改革とか言っていますが、現状きちんとやっていない所も多くあるので、もっと法律を考えるべき。(20代女性 ペンネーム・ちびすけさん)
歯科業界・歯科衛生士の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
歯科医院に勤務しています。専門学校卒業以来、同じ歯科医院に勤めていますが、求人票に載っていた内容と違ったのが、勤務時間でした。求人票は8時間労働でしたが、実際は休憩1時間で朝から夜までの9時間労働、プラス残業平均30分でした。
歯科衛生士の人数も少ないため、仕事内容も多いです。患者さんもわりと来る歯科医院なので、次から次へと患者さんを診ていくと、後片付けが追いつきません。なので、溜まった器具の洗い物や滅菌、待合室の掃除や雑用、在庫管理などは勤務時間をオーバーして行なわければならず、昼休みが1時間未満になることもしばしばです。
また、歯科衛生士は細かな作業ですので、長時間していると疲労もかなり溜まります。私の勤務している歯科医院以外も人材不足で、長時間勤務を強いられている歯科衛生士が多いようです。体を壊したり、結婚しても続けにくいので辞めたり、パート勤務にしたりする人も多くいます。(30代女性 ペンネーム・匿名希望さん)
技術・営業・その他専門職のハードワーク体験談
その他、さまざまな分野で働かれている方々のコメントです。
建設コンサルタント業界・技術職の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
残業している人が頑張っているようにみられるというのは感じており、「好きなだけ残業していいよ」というように言われていました。業界の特性からか定時以降に修正作業が必要となることも多く、残業が当たり前の環境でした。
しかし、長時間労働は望ましいことではなく、必要でもないと思っています。朝まで仕事して朝に「今日は休みます」と言って帰る人や、連日の疲れから日中席で眠ってしまう人もいました。長時間労働により体調を崩して辞めた人、この環境では続けていけないと感じて辞める人もいました。長時間労働により感謝されることはありますが、体調のことを考えると決して望ましいことではありません。
仕事量を考えると長時間労働は必要だと捉えられそうになりますが、それは人が足りていないから発生している事態であり、人を雇うことで解決することができます。ですが、お金を稼ぐことを目的に長時間労働をしている人もいるため、その人達にとっては必要で一概に必要ではないとは言えないとも思っています。(30代女性 ペンネーム・空さん)
コピー複合機販売・新規営業の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
新卒で入社した際の会社が「長時間労働が正義!」というような会社でした。説明会に行った段階で「募集内容の時間と、実際の時間は違うから」と言われ違和感を感じて辞退すればよかったのですが、なかなか内定を頂けない私はそのまま選考を進み入社しました。
入社すると、8:45から朝礼。就業時間は一応18:00。実際に働くと新人は7:30から来て掃除。就業時間が終わっても上司の売上があれば「仕事を覚える」という名目での書類の処理手伝い。ほかにも、その日に商談がなかった場合は20時頃まで飛び込み営業。支店で売上がなければ朝7:30からポスティング。と長く働いている=「上の人に頑張っているというような姿勢をみせる演技」のようなものでした。
実際、長時間労働をやって売上が上がれば問題はないと思いますが、売上は上がらず営業マンのモチベーションも下がり、支店の空気も悪くなる。という悪循環を起こしていました。就業時間後もコミュニケーションとして飲み会等もありました。長時間働いて上の人に働いているという姿勢を見せるよりも、短い時間で売上を上げることのほうが重要なのではないかと感じた期間でした。(20代女性 ペンネーム・果歩さん)
旅行業界→メーカーの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
前職(旅行業界)では、俗に言うブラック企業に勤めていました。仕事が終わるまで帰れず、その上残業代は出ません。繁忙期には会社に泊まることも度々ありました。多い時は週2~3回会社に泊まっていたので、曜日感覚がなく休日もひたすら寝るだけという生活で、荒んでいました。
遂に心身ともに悲鳴を上げて、急性気管支炎とうつ状態を引き起こし、結果退職を決意し、地元の企業に再就職することができました。前職で分かったのは長時間労働は会社のエゴであり、自分の心身の健康を害するまで働くメリットは一つもないということです。
昨今コンプライアンス遵守が叫ばれて大企業などではブラック企業が公表されて社会的制裁を受けるようになったので、改善されているケースもありましたが、中小零細のワンマン企業の経営者は自分には関係ないと我が道を貫いて、社員に服従させる企業が沢山あると思います。働きすぎて病気になるくらいなら自分に合わない会社と捉えて辞めるのも一つの選択肢です。長時間老労働を強いる会社が少しでもなくなることを切に願っています。(40代男性 ペンネーム・セカヤマさん)
食品業界・製造職の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
私は製造業の検査部門でのお仕事をしていました。そこでの経験から考えると長時間労働は望ましいことではないと思います。検査の仕事というのは工場で作られた製品の一部が送られ、そのサンプルを検査し、そこで検査装置から出た値をもともと設定されていた基準値と比べて合わせて不自然な所が無いのかを判断する仕事です。当然その情報は工場内の他の部署にも報告され、不自然な値が出てしまったら製品の出荷や生産を一時止めないといけません。
工場の生産状態によっては大量の検査をすることが珍しくなく、私はその忙しい時期では毎日最低4時間以上残業をしていました。検査の情報というのは報告が遅れてしまうと自分の周囲だけでなく周りの部署の仕事にも影響が出てしまうため、だらだら働く訳にはいかなく、ストレスを溜めつつ神経を張り詰めながら仕事をしていました。しばらくするとその残業にも慣れてきたのですが、緊張感の緩みからそこで私は検査の情報を間違えて報告し、工場内は一時大混乱となる事態を引き起こしてしまいました。私は周囲の人間にこっぴどく怒られ、幸いにも工場に被害はあまりありませんでしたが、周囲の余計な仕事を増やすことになり、私の評価も大きく下がりました。後で聞いた話なのですが、このようなミスをする人間は昔にも大勢いて、その責任感から自主退職することになった人がほとんどだそうです。
そのような事から私は長時間働くことはよくないことなのではという考えを強く持つようになりました。働く時間が長引く程、人は集中力がなくなり仕事に対するミスがどうしても増えてしまいます。そのミスが下手をすれば大きな事故を招くこともあり得るし、そのような事態を防ぐためにも、作業時間が短くなるよう会社全体で工夫したり、作業する人員を増やすなどの対策をすることでミスを減らし、結果的に生産性も良くなり、安全に仕事ができるのではないかと思います。(20代男性 ペンネーム・マサシさん)
業務委託の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことであり、必要なことだ。
長時間労働は納得できる理由(ライン増設するのは無理であるが、既存のラインの能力「人員の能力」でなら切り抜けれる。切り抜けなければならないと上の判断がある。季節物でこの時期だけ増産の必要がある。他の地域ではこの人数以上で挑んだプロジェクトであるが大失敗して、会社が其れだけの資金を今回は出せないと弱腰になりやむなく人数は少ないけどと請われて途中から参加など)があればさぁそれを切り抜けてやりましょう!とこちらも血気盛んに挑めます。
何も悩むこともなく、組合員なら「残業の修正お願いします」と管理職に願い出ました。そんな時には管理職も「厄介な話に巻き込んでしまったけど、サービス残業で無駄にはしない」と断言を頂き挑みました。
非正規の時は残業は消された時もあります。逆に、無駄な時間が多いのにどんどん残業がかかった時はこちらの意欲も萎え、それこそこの会社に居ても良いのか?と考え込みそのまま退職した経験もあります。(40代男性 ペンネーム・昼行灯(LED式)さん)
自動車業界・エンジニアの長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
20代のころは連日4時間以上の残業と土日どちらかの出勤もしくは土日両方の出勤で、月間100時間以上の残業漬けの日々で生活を楽しむことが全くなかった。同僚の中には心身の不調によって長期にわたって休職するものも珍しくなく、現在では大問題となるようなブラック企業そのものであった。
しかもさらに悪いことには中小企業ではなく世間一般からはうらやましがられる一流企業でこの状態が蔓延したいたのである。また、そのころの風潮、社内の上司の考え方として遅くまで仕事をする人が仕事のできる人間、もしくは仕事に真面目な人間という悪しき考えが蔓延していたので手が付けられない状況にありました。だから上司が遅くまでいるのに自分が上司より早く退社することはなかなかできなく精神的にも肉体的にも追い詰められた状態でした。
しかし、ある日会社にとって私が明日からいなくなっても滞りなく業務は進むということを悟ってからは割り切って仕事をすることが出来るようになりました。それは会社の帰り道に月を眺めてふと何年月を眺める余裕が無かったことに驚愕して考え方を見つめなおしたことに由来します。現在でも同じことが日本の会社では残っていると思いますので、この悪しく風潮・環境が一日でも早く根絶することを切に願います。(50代 ペンネーム・新人類さん)
保険業界の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
結婚する前ですが、新卒で保険会社に入社しました。当時は今ほど、ワークライフバランスなどといった考え方もなく、パワハラといった言葉もなく、チーフより先に帰るな、新入社員は残って当たり前、のような風潮がありました。
定時が何時だったのかも覚えていないほど、夜18時に仕事が終わったお客さんとのアポが入ることもありました。残業代が出るわけでもなく、何時に帰ろうとも関係なく、とにかく職場の雰囲気からして帰れない感じでした。
長時間労働は身体だけでなく、精神的にもダメージがある場合もあると思います。実際私はも、長時間労働に加えて上司からのパワハラもあり、鬱になりかけてしまい、働く意義などを失って退職をしました。長時間労働は家庭がある人には家庭にもしわ寄せがくると思います。仕事が終わってからプライベートの時間をもてるくらい余裕がもてれば、それがリフレッシュとなって仕事へのモチベーションも上がるのではないかと思います。(30代女性 ペンネーム・ayaさん)
教育業界・広報の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
私は子どもの頃から病気がちで体力がなく、それでも普通に生活を送るために、何につけ出来る限り効率よく、無理のない形で解決できるように努力してきました。社会人になり、仕事も計画的に進めることで無駄な残業はしないようにと心がけていました。
しかし30代の頃、転職した先の上司がとにかく昔ながらの24時間働けますというタイプで、それを部下にも強要することが美徳だと考えているような人でした。残業といってももちろんサービス残業です。定時になればその上司がタイムカードを押して、それからまた仕事をするので、部下たちもそれに従うしかありません。体力のない私はやるべきことは定時内に済ませ、出来るだけ早く帰るようにしていたのですが、ある日その上司は私を別室に呼び、「君は出し惜しみしている」とか「一生懸命さが足りない」というような事を言ってきました。
私は体力がないので効率的にやらないとすぐに体調を崩し、逆に皆に迷惑をかけるから考えながらやっているのであって、出し惜しみしているわけではないと説明しました。しかし上司は納得してくれません。転職したばかりだし、家庭もあるので、仕方なくある程度はつきあうようにしていたのですが、案の定、私は倒れて救急搬送されてしまいました。ところがその上司は自分の労務管理が悪かったのではなく、私が勝手に無理するまで働いていたと社長に報告していました。
後にその会社は辞めてしまい、何度か転職をしていくつかの会社を見ましたが、長時間労働の多くは、そういった社内の雰囲気とか価値観の問題だったり、個人のマネージメント能力の問題だったりで、本当にそれだけの仕事量に追われている職場はまれだと思います。少なくとも個人それぞれの事情もありますし、「早く仕事をかたずけられる者が怠慢」であるかのような風潮は無くなって欲しいです。(50代男性 ペンネーム・ぽぽさん)
保育士の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではないが、必要なことだ。
以前勤めていた職場は、看護師さんのお子さんをあずかる託児所でした。人手が足りないので、超過勤務は当たり前。看護師さんのが仕事が終わらなければ仕事が終わるまでお子さんをお預かりしていました。
当時は若かったので体力的に何とか頑張れました。しかし、長時間勤務が続くと疲労感からか判断能力が鈍るような気がしました。それでも仕事中はなんとか集中して子どもたちにケガがないよう、無事に帰すように務めていました。しかし、子どもたちが帰ってしまうと、事務仕事をこなさなくてはいけないのに、注意力散漫してしまい、なかなか進みませんでした。帰宅する頃にはくたくたで、食事もお風呂も入らず寝る、という生活だったため、痩せてしまったり、体がヘタヘタとして力が入らなかったり。
出来ることなら、事故を起こさないためにも、長時間労働は避けるべきだと思います。自分の体も大事にしめあげるためにも、無理は禁物です。人手が足りない場合、コスト削減など、長時間労働せざる終えないのが現状なのかなと思います。(30代女性 ペンネーム・ゆりさん)
広告業界・大手代理店の長時間労働の実態
◎長時間労働は望ましいことではなく、必要でもない。
もう転職していますが、新卒で入社した某大手広告代理店がこの長時間労働の温床でした。あこがれていた仕事だったし、この業界は忙しいということもある程度覚悟して入ったものだったので、頑張ろうと思っておりました。
しかし…深夜2時に退社し家にスーツを取りに帰ってシャワーを浴びたら次は4時に出社、などあまりにも度が過ぎた生活。2年目あたりでだんだんと日中ボーとしてしまうことが多くなり、自分が不健康になっていくのが自覚できました。4年ほどたったら、なんとストレス性の腫瘍が発生…開腹の切除手術という大事に直面し、自分がいかに心身の健康を顧みず、また顧みる時間すら捻出できないような長時間労働に無理があるということをひしひしと感じました。
その後少しして社会的に問題となった事件などが広告業界に震撼をもたらしましたが…。それも一時的なもの、長時間労働だけが問題ではないと思いますが、長時間であることによって確実に無理はしています。どんなに好きな仕事でも体のSOSって大事ですよね。(30代女性 ペンネーム・Yuriさん)
■長時間労働に関するアンケート調査の概要
期間:2019年5月28日
対象:長時間労働経験のある10代~50代の男女30名
方法:インターネットによるアンケート調査