私は大学卒業後、新卒で公立の中学校教員として働き始めました。教員を志したのが15歳の時。その頃から、「教員はブラックな環境だよ」と周囲から言われ続けましたが、それでもなお教員への夢が勝り、大学4年生の進路選択時に、他の選択肢を排して教員として働くことを選びました。
実際に教員はブラックだった
そして、実際に教員として働き始めて実感しました。本当にブラックだなと(笑)。定時という言葉は教育業界にはなく、一応の就業時間は8:15~16:45でしたが、その通り仕事をしたことなどただの1日もありませんでした。
私は膨大な業務と日々の授業準備、生徒指導等を滞りなく行うために、毎日7時前には出勤し、どんなに早くても19:00までは職場に残って仕事をしていました。
その勤務時間中、特に子どもたちが在校している時間は、とにかく忙しいのです。中学校の教員は、授業をしない空き時間があり、職員室でリラックスできる時間があるというような見方もよくされますが、実態は違います。
その時間も、トラブルや事故の未然防止のために校内を巡回したり、膨大に膨らんだ事務作業を手際よくこなしていなければならなかったりと、決して休める時間ではありません。このような環境で2年間、私は教員として仕事をしていました。
朝食重視、糖質重視でスタート
教員は、知力はもちろん、体力、精神力も問われる非常にタフな仕事です。毎日いかに消耗せずに、エネルギーを出し続けることができるかということが、毎日の授業、学級経営そして子どもたちとの関係構築を左右するのです。
幼いころから徹底して朝食の重要性を親から説かれてきた私は、就職し一人暮らしを始めても、1日たりとも朝食を抜くことなく生活してきました。
当時の私の基本的な朝食のメニューは、グラノーラと1杯のホットコーヒーです。エネルギー源となる糖質を摂取するためにグラノーラを、カフェインの作用で交感神経を活発にさせるためにホットコーヒーを選ぶように心がけていました。特に、糖質は人間の唯一のエネルギー源であり、朝食で絶対に欠かしてはいけないと信じていました。
食べているのにエネルギー枯渇、なぜ?
しかし、私は毎日のようにエネルギーの枯渇を起こしていました。毎朝5:30くらいに上記のメニューを摂取し、仕事に臨んでいると10時を過ぎたあたりから空腹感を感じるとともに、力を出し切れなくなるのを実感していたのです。
具体的には、授業においてなんとなくだらだらとした説明になってしまったり、子どもとのコミュニケーションで少し手を抜くようになったりということがありました。
何とか改善しようと、朝食の量を増やしたり、少し時間を遅くしたりしてみましたが、あまり効果はあがりませんでした。そこで、食事のメニューから劇的に変える必要があるのではないかと思うようになり、多忙な中ではあったのですが、食事について研究をするようになりました。
研究する中で、私は「ファットバーニング」という言葉を知りました。
簡単に言えば、脂質をエネルギー源に変えるというものです。糖質をエネルギー源にすることは「シュガーバーニング」と言うそうです。
そこで、糖質が唯一のエネルギー源だと思っていた私の中の常識が覆されました。
少し深堀りしてみましょう。
ファットバーニングの効果とやり方
全く同量の脂質と糖質を摂取した場合、脂質から生み出されるエネルギーは、糖質の10倍にもなるというのです。簡単に言えば、糖質50g(私が毎朝意識的に摂っていた量です)で100のエネルギーを生み出すのだとすれば、脂質を50gからは1000ものエネルギーを生み出すことができるということです。
(※カロリーベースでみると、1グラムあたり糖質は4キロカロリー、脂質は9キロカロリーとなっており、10倍もの開きはありません)
これは実践するしかないと思い、早速朝食で意識的に脂質を摂取するようにしました。しかし、その脂質選びも非常に重要なのです。特に推奨されるのが、良質なオイルからの摂取です。
具体的には、
- オリーブオイル
- MCTオイル
- アボカドオイル
- ナッツオイル
- ココナッツオイル
等です。
私は、従来のグラノーラとホットコーヒーというメニューを、生野菜のサラダ(ドレッシングがわりにアボカドオイルやオリーブオイルを使用)とホットコーヒー(MCTオイルを混入)というメニューに変更しました。
効果は驚くほど早く出て、それを実践した初日からいつも空腹感を感じる時間帯になってもそうならず、さらにエネルギーの枯渇を感じることなく、事務作業を効率的に片づけたり、常に子どもたちと密なコミュニケーションを取ったりすることができるようになったのです。
脂質をエネルギー源にするメリット
脂質からのエネルギー補給にはさらに副次的なメリットもあります。
脂質摂取のメリット1.太りにくい
少量の摂取でも大きなエネルギーを生み出すことができるので、必然的に食事量を減らすことができます。
また、糖質の摂取量も減るので、その分脂肪を減らすことにも繋がります。
脂質摂取のメリット2.集中力が高まる
糖質はGI値が高く、摂取すると一時的に集中力は高まりますが、インスリン分泌量の激しい上昇と下降が短時間で起こることになり、程なくして眠気を催す原因にもなり、逆に集中力の低下を起こしてしまいます。
しかし、脂質を摂取しても、インスリンの分泌は行われないため、そのような心配はありません。
脂質摂取のメリット3.節約できる
良質なオイルの購入には、多少出費を強いられますが、1つ目のメリットでも述べたように、食事の絶対量を減らすことができるので、その分節約につながります。
また、私自身、長年花粉症に苦しんできたのですが、この食事法に変えてから症状が軽くなるという効果も現れました。つまり、マスク代や薬代、ティッシュ代といった支出の削減にもつなげることができたのです。
このように脂質をエネルギー源に変える食事法には大きなメリットがあります。私のように「食べているのにエネルギーが枯渇する」という経験がある方は試してみるとよいかもしれません。