私は都内のIT企業に勤める30代男性です。リモートワークが始まったのは2月中旬頃でした。
日本でのコロナウィルス感染拡大を受けて、各大手企業がこぞって在宅でのテレワークや時差出勤の推奨を発表し始めたころ、私の所属する会社でも社長からのトップダウンでテレワークの全面導入と時差出勤の奨励を実施することになりました。
情報システム管理でリモートワークを経験
私は、社内のIT導入・保守、IT導入企画を行う、いわゆる「情シス」に所属しています。
普段はトラブルがない限りは、先々のシステム導入の企画や監査対応を行っています。普段使用しているPCにリモートで入れれば、社内に居なければできない仕事ではありませんでした。
さっそく翌日から自宅から会社のPCにリモートアクセスをして、在宅によるリモートワークを行うことになりました。
通勤の往復3時間が自分の時間に!
それまで私は出勤で会社に着くまでドアToドアで1時間半要かかっていました。
電車・バスに乗っているのは1時間10分程度。コロナ対策でなくても、朝のラッシュに乗らなくてもよいなら乗りたくない考えでした。
リモートワークを開始してからは、一日往復で3時間分その時間が他のことに使えました。
睡眠時間が増え、家族との時間が増え、自分の趣味に使える時間も増えて良いこと尽くしです。コロナウィルスの感染拡大で大変な事態ではありますが、こんなことならもっと早くリモートワークを利用すべきであったと思っています。
オリンピック開催期間中の混雑緩和や本来の働き方改革のため、会社でも段階的なテレワークを推奨する動きがあります。今後も随時導入できるよう、今回のリモートワーク経験を社内でも共有していきたいと思っています。
TV会議、チャット、メール、アプリによるコミュニケーションは良好
私の場合、リモートワークに移行するにあたり、すこし有利な条件がありました。
リモートワークに移行する以前から、社内の会議は日常的にTV会議を使用していたからです。
Webシステムであったので、普段使っているシステムをそのまま家でも使用することができました。またチャットのアプリも利用して、作業の質問、メンバーとのコミュニケーションをとっています。
メールも併用し、コミュニケーションには何も不便を感じていません。
数年前に比べれば、無料のサービスを含めて様々なサービスが登場しているので、在宅勤務で不安視されるコミュニケーション不足も問題ないレベルになっているのではないかと思います。
うちの会社は始業時間と終業時間、当日の作業内容を上司に毎日メールで報告していました。監視などは特段ありません。
個人情報や機密情報の管理
在宅勤務で気になるポイントの一つに個人情報や機密情報の管理があります。
私の場合、情報漏洩対策として使用しているリモートワーク用のツールが、在宅で使用している端末からデータの印刷ができない制限をかけられるものでした。またスナップショットも取れなくなります。
機密情報を扱う部署でリモートワークを行う場合、対象業務が持ち出しても問題ないものか、まずは組織で判断していく必要があると思います。
東京オリンピックに向けた準備が功を奏す
突然のリモートワーク開始となり、会社によっては準備しきれていなくて断念したところもあったのではないかと思います。
うちの会社は2020年の東京オリンピックに向けて、社内でテレワーク環境が少しずつ整えられていたので大きな混乱はなく、すぐ開始ができました。
自社で実施されていたことには、
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- 管理職の定期的なリモートワーク推奨(月一回、週一回など)
- 社内システムのクラウド活用、Webシステムへの移行
- 紙媒体のから電子書類への移行
などがありました。
2011年の東日本大震災やインフルエンザ等のパンデミック対策、災害時のリスク回避としてBCPの一環でこれらを進めてきたようです。それらの活動が功を奏した結果となりました。
リモートワークにスムーズに移行するポイント
目の前のコロナ対策もありますが、7月首都圏であればオリンピックに向けた混雑緩和でのテレワーク推奨ももう迫った話です。
大がかりなシステムを導入するのは時間もコストもかかりますので、できることからやっていくことになると思います。
紙の書類から電子ファイルへの移行
紙を多く使用している場合は、今日から少しずつ電子化を行っていきましょう。
会社全体でいえば、紙の契約書類をPDFなどの電子ファイル化する。
個人でいえば必要書類をリモート環境からでも参照できるように、同様に電子ファイル化しておくと良いでしょう。
議事録や資料は共有ファイルに保存
社内会議や商談の手書きメモをテキスト化する。あるいは、時間がなければそのままスキャンするでも良いのでPCから参照できるようにしておくことでリモート環境からでも見られるようになります。
プロジェクトの共有資料や成果物はルールを決めて共有のフォルダへ保存するなどのルール整備も取り組めることではないでしょうか。
BYOD(Bring Your Own Device)の取り組み
リモート環境を整えるうえで個人の端末を仕事でも使用できるようにBYODの仕組み作りもできたらよいかもしれません。
その他、会議はTV会議の導入を進めていきましょう。
いずれにせよ、全部を一気にすることは出来ませんので、出来ることから取り組んでいくことをお勧めします。